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『Hot August Night』(-)
Aug.21 1976 Knebworth,Hertfordshire,UK
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Satisfaction/2.Ain't Too Proud To Beg/3.If You Can't Rock Me 〜 Get Off Of My Cloud/4.Hand Of Fate/5.Around And Around/6.Little Red Rooster/7.Hey Negrita/8.Hot Stuff
(Disc-2)
1.Fool To Cry/2.Star Star/3.Let's Spend The Night Together/4.Route 66/5.You Gotta Move/6.You Can't Always Get What You Want/7.Dead Flowers/8.Wild Horses
76年ネブワースフェアでの演奏をステレオサウンドボード音源にて収録したLP『Hot August Night』(KNEB 1976)を、オーディエンス音源等の補填せず、あくまでLPの音源のみでストレートに復刻したのが本作。


針を落として、いきなりピッチが高くなったり低くなったりと不安定で、既発CDでは修正しきれていなかった"Satisfaction"のイントロは見事に修正。
全体的に高め(一部低め)だったピッチも正常にし、スクラッチノイズもほぼ皆無といった見事な補正が施されています。
また音の方もイコライズせずそのままとしていることにより、イコライズしたが故に、元々多目だったヒスノイズやダビングを重ねたことが原因と推測される音の端々の傷みが強調されるという、既発にありがちだったこともなく、自然なLPの音を楽しめる造りとなっています。
ちなみにLPや本作の裏ジャケには、基となった音源はビル・グレアムが貸し出したオリジナルマスターテープと記載されていますが、こんなにダビングを経たようなテープが本当にそうなのかなと、ちょっとした疑問が湧いてきたりも。

本作は、LPでのオリジナルとなる青の単色ジャケットを採用した2ndエディションですが、カラージャケの1stエディションにあった"Satisfaction"1分44秒から1分52秒までの高域の落ち込みを、違和感なく補正して音の方でも1stとの差別化を図っています。

差別化という観点からいくと、"You Gotta Move"の曲中に入るテスト信号と思しきピー音の処理はどうするのかと気になりますが、ここはやはり実際の会場では出ていない音だとしても、LPそのままということで特に加工せず。
また、"Hey Negrita"3分7秒にはやや気になる音切れもあったりしますが、この欠落部分を単純に摘まんで繋げてしまうと音飛び状態になってしまうので、同曲中の同様のフレーズをコピー補填すれば自然に聴けるような状態に出来るような気はするものの、ここもLPのままとしているようです。 |
by Hara ¦ 07:22, Friday, Feb 28, 2025 ¦ 固定リンク
『Earls Court London '76』(KING STREET) |

『Earls Court London '76』(KING2CD4657) 2CD
May.22 1976 Earl's Court Arena,London,UK
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Honky Tonk Women (Fade In)/2.If You Can't Rock Me〜Get Off Of My Cloud/3.Hand Of Fate/4.Hey Negrita/5.Ain't Too Proud To Beg/6.Fool To Cry/7.Hot Stuff/8.Star Star/9.You Gotta Move/10.You Can't Always Get What You Want〜Band Introductions
(Disc-2)
1.Happy/2.Tumblinhg Dice/3.Nothing From Nothing/4.Outa Space/5.Midnight Rambler/6.It's Only Rock'n Roll/7.Brown Sugar/8.Jumping Jack Flash (Fade Out)
1976ツアー最初のハイライト、アールズコート6連続公演2日目となる5月22日公演収録盤。
この公演は、右チャンネルにはキース・ロニーとオリーブラウン、左チャンネルにビリーの鍵盤、そして中央(時折左に寄りますが)にミック・チャーリー・ビルといったちょっと変わった振り分けになっている上、ロニーがかなり小さめにミックスされているのに対してビリーが大きめにミックスされているといった変ったバランスの、ミキサー卓直結と思しきステレオサウンドボード音源が流出しており、ブートCD黎明期から幾つものタイトルがリリースされてきた中、事典で代表盤として挙げていたのがDACの『Earl's Court 1976』(DAC-045)。

過去のどのタイトルよりもクリアーな音質を誇り、オープニングから"Honky Tonk Women"の1コーラス目途中までと、"JJF"の2コーラス目途中以降に"Street Fighting Man""Sympathy For The Devil"といったサウンドボード音源欠落部については、オーディエンス音源で補填して全曲を聴けるようにしていたタイトル。
ちなみにもう一箇所の欠落部である"You Can't Always Get What You Want"の頭からイントロ途中までについては、オーディエンス音源自体もテープチェンジにあたり存在していなかったようで、ここは欠けたまま。
さて、本作ですが、そのDAC盤のサウンドボード部分だけをコピーして作成されているようで、補填時にオーディエンス音源とクロスフェードしていた箇所については、オーディエンス音源と重なっていないところからのフェードイン・アウトとなっているため、ほんの僅かながらDAC盤よりもサウンドボード部分が短め。
ただ、編集ソフトの進歩の恩恵なのかDAC盤全体に漂っていたヒスノイズが激減、
かつ余韻もおかしくなっていないということでDAC盤より聴き易さが向上しています。 |
by Hara ¦ 01:34, Thursday, Dec 19, 2024 ¦ 固定リンク
『Hampton 1981 Monitor Mixes』(-) |

『Hampton 1981 Monitor Mixes』(-)
Dec.18 1981 Hampton Coliseum,Hampton Roads,VA,AZ,USA
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Take The A Train/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Let Me Go/12.Time Is On My Side/13.Beast Of Burden/14.Waiting On A Friend/15.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction/13.Star Spangled Bannner〜School Days(※ジャケットクレジット漏れ)
81年12月18日のハンプトン公演の放送音源収録ブートといえば、ロニーの音量が大きくキースが小さいというアンバランスなミックスだったということもあり、2012年のリミックス版の公式リリースをもって、参考資料として放送時のミックスを確認するためだけのものとなっていましたが、今回まさかの別ミックス音源が発掘されたとのことで、久々のリリースとなったのが本作。
ジャケットにクレジットとそのテープ画像が載せられているように、本作のベースとなったのは、ローリング・ストーンズ・レコードの当時の副社長、アート・コリンズ所有のテープ。
81年のハンプトンといえば、ボブ・クリアマウンテンが放送時とリミックス時共にミキシングを担当し、場内音をふんだんに被せた臨場感を強調した音が特徴でしたが、こちらの音源は、音に余裕が感じられる、すっきりと落ち着いた何度でも繰り返し聞きたくなる高音質音源。
本作のインフォメーションでは、ボブ・クリアマウンテンの特徴的な臨場感を排除しただけで基本ミックスは変わらないように読み取れますが、実のところ全然別物で、生中継時同様にロニーが大きめでアンバランスと感じるのは、"Under My Thumb"のロニーが入ってくるあたりと"Jumping Jack Flash"1曲丸ごとくらいで、基本的にはバランスのとれたミックスとなっています。
また、ボブ・クリアマウンテンのミックスでは、アーニー・ワッツのサックスがキースに被る右寄りの定位となっているのに対し、本作の音源は基本的に左寄りの定位で、時折中央に寄ったりするものとなっているため、"Beast Of Burden"のサックスソロでもキースのギターの細かい部分もよく聴こえるようになっていたり、サックスソロの途中からキースがソロらしきものを弾き始めると、サックスの音量を下げてキースの音量を上げるといった、ボブ・クリアマウンテンより分かっているのでは?といった感も。
ここまでミックスが違っていると、実は生中継時ではなく後日関係者用にミックスしたのではといった疑念も生じますが、オープニングの"Take The A Train"前半で聴ける、ある意味大変レアなオープニング・アナウンスでおなじみビル・グレアムのマイクチェックは当然カットされていて然るべきなので、こちらもやはりリアルタイムでのミックスと考えられます。
その"Take The A Train"、これまでの生中継音源では"Under My Thumb"が始まる寸前まで映像がバックステージだったが故に、音声の方もそちらの音に切り替えられていたため、かすかに鳴ってはいるもののほぼ聴こえない状態だったのに対し、本作の音源はあくまでもライブ音声に特化していることから"Take The A Train"が頭から聞こえるようになっています。とはいえ、先に触れたマイクチェックのためビル・グレアムのチャンネルがオンになっている時は、
奥に押しやられてしまっていますが・・・。
この別ミックス、ボブ・クリアマウンテンがライブ中同時に2つのミックスを手掛けることは、かなり無理があるでしょうから、当然ながら他者がミックスを担当したことなりますが、それが誰かとなると。放送時のクレジットでは、ミックス(Audio Mixer)はストーンズとボブ・クリアマウンテンの並列表記となっています。

ここから推測するに、このライブ自体ストーンズ初のPPV生中継であることに加え、テレビの音をオフにしてFMでステレオ音声を流しながら映像を楽しむというサイマルキャスト方式までも採用されていることから、ミスが許されないという状況の中、メインのボブ・クリアマウンテン側の音声に不具合があった際、すぐ切り替えられるようにストーンズ側でも準備していたのではないかと。ただ、音の質感があまりにも違っている点は引っ掛かりますが・・・。
さて、本作の基となったカセットですが、後からのダビングではなくリアルでの録音だったのか、テープチェンジによる欠落部があり、そこには放送音源ではなくリミックス音源が補填されています。
該当するのは"Just My Imagination"の4分31秒から5分21秒、"Little T&A"間奏後のサビ2分30秒から3分00秒あたりまで、そして"She So Cold"終了3分41秒付近から"Hang Fire"1分10秒までの3箇所ですが、音が切り替わっても若干エコーがかって低域が厚くなったと感じる程度で、急に定位が変わる等の不自然さは皆無と上々の出来となっています。このことからも本作のミックスは放送音源とはバランスが異なり、正規に近い定位となっていたことが分かるかと。あえてこの部分に注文つけるとすると、補填音源の厚みを若干削いだ方が更に良かったかもしれません。
なおディスク2のラストには、ジャケットに記載はありませんが、トラック13として"Star Spangled Bannner〜School Days"も収録。その"Schcol Days"、一部のテレビ放送局ではフルに流され、その後のフルートが主旋を奏でるイージーリスニング調の曲が鳴り出してから放送が終了となっていましたが、本作は49秒ほどでフェードアウト。とはいえ過去のどの音盤よりも長く収録されています。 |
by Hara ¦ 17:28, Saturday, Dec 14, 2024 ¦ 固定リンク
『L.A.Forum 1975 5th Night:Mike Millard Master Tapes』 (-) |

『L.A.Forum 1975 5th Night:Mike Millard Master Tapes』 (-) 3CD
July.13 1975 Inglewood Forum,Los Angels,CA,USA
Stereo Audience Recording
Quality:Excellent
※Disc-2 Track6(part),Disc-3 Track1(part)
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Fanfale For The Common Man Intro/2.Honky Tonk Women/3.All Down The Line/4.If You Can't Rock Me〜Get Off Of My Cloud/5.Star Star/6.Gimme Shelter/7.Ain't Too Proud To Beg/8.You Gotta Move/9.You Can't Always Get What You Want/10.Happy
(Disc-2)
1.Tuning & MC/2.Tumbling Dice/3.Band Introductions/4.It's Only Rock'n Roll/5.Doo Doo Doo Doo Doo/6.Fingerprint File/7.Angie/8.Wild Horses/9.That's Life/10.Outa Space
(Disc-3)
1.Brown Sugar/2.Midnight Rambler/3.Rip This Joint/4.Street Fighting Man/5.Jumping Jack Flash/6.Sympathy For The Devil
著名テーパー、マイク・ミラードによる高音質オーディエンス録音を使った7月13日LA公演全曲収録盤。
1992年に初めて登場して以来、ストーンズの1975ツアーを代表する音源ということで、幾多ものタイトルがリリースされてきたこの日のミラード録音。今やその公演自体がほぼフルでオフィシャルリリースされたため、ややその価値が落ちてきた感は否めない中、本作はアルバム名にもなっているように、マスターという触れ込みの音源を基にして制作されたタイトル。
その音質はというと、事典で代表盤として挙げた『Who Went To Church This Sunday』(VGP-082)のリマスター盤と比べると、基本的に高域寄りの音というのは両盤共通ですが、VGP盤が前面に張り出してくる感じの音であるのに対し、本作はやや奥行きを感じる余裕ある音となっているので、このあたりは好みの分かれるところかと。

本作はまた、この公演がオフィシャルリリースされたことから、後に触れる過去盤にあった微細な部分の別日補填をせず、その微細な部分にオフィシャル音源を補填することで、ミラード音源を収録したタイトルとしては初めて13日の音だけで構成されたものとなっています。
その補填ですが、録音時やダビング時のテープチェンジによるものと思しき欠落部は確認出来るだけで4箇所
まずは"Happy"終了後。
この部分、本作及びVGP盤共にクロスフェード処理していますが、VGP盤はじめ他のタイトルはミックが発した「シューッ」という声を収録しているのに対し、本作はその「シューッ」の余韻だけが聞こえるのみで言葉自体を拾っていません。よってこの点から、本作も本当のマスターからの収録ではないということが分かります。
なお、オフィシャルはその「シューッ」の前にもミックが発していた「アーウ」という言葉も収録していたりするので、本作の今回のコンセプトであれば、ここはしっかりと押さえておいてもらいたかったところ。
続いて"はAin't Too Proud To Beg"終了直後部分。
本作はこの部分へ特に補填等せずにカットアウト・インで繋げているだけなので、極ほんの僅かではあるものの曲の最後の余韻が欠けたまま。
対するVGP盤の方はというと、絶妙なクロスフェード処理を施していて自然な流れとなっているので、本作もここは同様の処理をする、もしくはここにも補填処理がされていればといった感が。
このミラード音源、最大の欠落ポイントといえるのが"Fingerprint File"曲終りの1小節と1音。
過去のタイトルはこの欠落を嫌い、同じくミラードが録った9日の音源を使ってこの部分を補填、もしくは曲自体を丸ごと9日の演奏に差し替えていたりしましたが、本作はこの欠落部にオフィシャル音源を補填することにより、初めて1曲通して13日の演奏としています。
ただ、メインのミラード音源が高域寄りの音だったのに対し、オフィシャルは中低域を重視した音だったため、この部分になると音がおとなしく聴こえてしまっているので、ここはオフィシャルの音をミラード音源に寄せてイコライジングしてあれば尚良しだったかと。
VGP盤は曲終了後のミックが発した「Thank you」の少し前からミラード13日音源が再開していましたが、本作は「Thank you」までをオフィシャル音源としているようです。
そして4つ目は"Brown Sugar"終了後に発したミックの「Thank You Very Much」という言葉。
VGP盤は「Very Much」の「Mu」までで切れていましたが、本作はここからオフィシャル音源を補填。この部分に関しては演奏部分ではないため、ほぼ違和感ない仕上がりとなっています。
また、本作は3枚組のため、VGP盤が収録時間の都合で一部カットしていた、ライブ本編ラストの"Jumping Jack Flash"が終わってアンコールの"Symapathy For The Devil"が始まるまでの曲間を、きちんと漏らすことなく収録。本作以外でこの部分を同様に収録しているのは、同じくこの公演を3枚としているEmpress Valley『Whorses,Cocaine And A Bottle Of Jack』(EVSD 43-50)のみ。

なお、ディスク1冒頭ですが、VGP盤はカットインで"Fanfale For The Common Man"が始まる寸前からのスタートとなっているのに対し、本作は最初の1音からのフェードイン。
ちなみに『Whorses,Cocaine And A Bottle Of Jack』や事典でも挙げていた『The Complete LA Sundays Tapes』(SODD 073/76)は、VGP盤よりも約5秒ほど前からの収録となっています。
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by Hara ¦ 01:17, Friday, Nov 08, 2024 ¦ 固定リンク
『Beginning Of Cosmic Consciousness』(Empless Valley) |

『Beginning Of Cosmic Consciousness』(EVSD-1956/1957) 2CD
June.3 1972 Pacific Coliceum,Vancouver,British Columbia,Canada
Mono Audience Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Introduction/2.Brown Sugar/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.Bitch/6.Tumbling Dice/7.Happy/8.Honky Tonk Women/9.Loving Cup/10.Torn And Frayed/11.Sweet Virginia
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Ventilator Blues/3.Midnight Rambler/4.All Down The Line/5.Bye Bye Johnny/6.Rip This Joint/7.Jumping Jack Flash/8.Street Fighting Man
1972年北米ツアー初日、カナダはバンクーバー公演収録盤。
幾多ものタイトルがリリースされているこの公演ですが(よって演奏内容は省略)、一部の曲順や編集、音盤化する際のテープ再生速度に起因する音程や音質が異なるだけで、音源自体はどれも同じオーディエンス録音。
"Rip This Joint"のイントロと"You Can't Always Get What You Want"の最後の余韻部分が僅かに欠けている以外は、曲中カット無しで全曲録れており、音質・バランス共に良く、この時代のオーディエンス録音としてはかなり上質の部類。
2014年の事典で、この公演の代表盤として挙げていたのがDACの『Touring Party Vol.1』(DAC-079)

既発でおかしかった"Ventilator Blues"の位置を本来の曲順通りに配置し、基にしたテープの劣化に起因する音ユレや定位の偏りをモノラル化することで解消。また、全体的に軽いイコライジングを施し、聴き易さを向上させていた好タイトル。
ちなみに、事典では"You Can't Always Get What You Want"終了の余韻部分に被ってくる、ダダッというバスドラム2発を"Gimme Shelter"の終わりから持ってきてと記載していましたが、この曲の終わりも実際にそのように被ってきており、その途中でテープチェンジとなっていたようですので、その部分はここで訂正とします。
その事典の本文中で、DAC盤よりも優れたマスターを使っているものの、代表盤としなかったのがSODDの『S.T.P.Chronicles Vol.1』(SODD 118-121)

DAC盤で早いフェードアウト・イン処理で繋がれていた"JJF"と"SFM"の曲間が、僅かながら長くなった上に滑らかに繋がれていたり、"Gimme Shelter"や"Happy""You Can't Always Get What You Want"の後の曲間をDAC盤より長く収録。ただ、基テープの劣化に起因する音ユレや定位の不安定さがあったり、ピッチは前半低めで後半高めなのがマイナスポイント。
事典が出た後にリリースされ、そのSODD盤と同じ最長マスターを使用していたのが『Vancouver 1972』(-)

SODD盤は"You Can't Always Get What You Want"終了の余韻部分に被ってくるバスドラムを嫌ってその手前でフェードアウトさせ、クロスフェード処理をしていましたが、この『Vancouver 1972』の方はバスドラムが入りテープチェンジのためブツ切れとなる箇所まで収録したうえでクロスフェードさせるという、ほんの僅かながらではあるもののSODD盤よりも更に長く音源を収録。
ピッチの調整は勿論のこと、DAC盤同様に定位の不安定対策としてモノラル化処理していることに加え、他タイトルにあった"All Down The Line"を境とした音質差もなるべく目立たぬよう音質調整を施している等、現時点での代表盤というべきタイトル。
さて、前置きが長くなりましたが本作。
"You Can't Always Get What You Want"終了の余韻部分に被ってくるバスドラム部分を残している以外は、SODD盤と同じ。よってピッチは前半低めで後半高め、基テープの劣化に起因する音ユレや定位の不安定さもそのまま。音量が低めになっている以外は音質も変わらずとなっています。 |
by Hara ¦ 19:07, Tuesday, Oct 29, 2024 ¦ 固定リンク
『Nice 1976 Unreleased Master』(-) |

『Nice 1976 Unreleased Master』(-) 2CD
June.13 1976 Parc Des Sports De L'ouest,Nice,France
※本作のクレジットはStade de L'Ouest
Mono Audience Recording
Quality:Very Good-Good
(Disc-1)
1.Intro./2.Honky Tonk Women/3.If You Can't Rock Me〜Get Off Of My Cloud/4.Hand Of Fate/5.Hey Negrita/6.Ain't Too Proud To Beg/7.Fool To Cry/8.Hot Stuff/9.Star Star/10.Angie/11.You Gotta Move/12.You Can't Always Get What You Want/13.Band Introductions/14.Happy
(Disc-2)
1.Tumblinhg Dice/2.Nothing From Nothing/3.Outa Space/4.Midnight Rambler/5.It's Only Rock'n Roll/6.Brown Sugar/7.Jumping Jack Flash/8.Street Fighting Man/9.Outro.
1976年6月13日、フランスはニース公演全曲収録盤。
この公演の既発盤は3種あり、いずれも使用された音源は同じで、ビルのアンプの前で録音したのかと思える位にベースがよく聞こえる低域かなり強めの録音。
時折リミッターがかかって音が頭打ちになるのと、会場全体の音量がピークとなった"Street Fighting Man"の終盤ではテレコ自体の許容量を超えてしまったのか、音が割れすぎて何をやっているのか分からず、ほとんど音楽に聞こえない状況となっていたのが難点。
最初にリリースされたのが"Honky Tonk Women""You Can't Always Get What You Want""Nothing From Nothing""Outa Space"が未収な上、"Street Fighting Man"も途中までという1枚ものCDのVGP『Live In Nice 1976』(VGP-091)

続いては、"Honky Tonk Women"のみが未収と、曲数は増えたものの、ピッチは全体的にかなり低目という難点がありのRisk Disc『Tumbling Nice』(Risk Disc-012)

そして"Honky Tonk Women"も頭のSEから収録され、ようやく全曲収録となったDAC『Black And Blue In Nice』(DAC-094)
ただ同一マスターでの作成とはならず、ようやく収録された"Honky Tonk Women"はメインと比べるとテープのジェネレーションが高かったようで、ヒスノイズが強めなことに加え、やや音が奥に引っ込んでしまったように聞こえるといった難点あり。ただし問題の"Street Fighting Man"終盤は、ギターをやや前面に出るようイコライズしたことにより、かなりの改善が見られるようになっているというタイトル。もちろんピッチは正常。

さて本作ですが、アルバムタイトルにもあるように既発とは異なる初出の音源からの作成。
オープニングのSEから、既発では聴けなかったエンディングSE(フランス国歌"La Marseillaise")までの全曲収録。曲中カットは一箇所だけで、"You Can't Always Get What You Want"の2分12秒部分。本作が基にした音源はダビングを経たもののようで、この2分12秒から9分34秒までは、別テープが繋がれていますが(録音自体は同じ)、この部分のみテープが伸びたような音のふらつきが生じてしまっています。
遠目の録音だったようで全体的に音像はぼやけ気味。
ただ、演奏自体は大きめに捉えられているので聴きやすくはあるものの、マイクの周りがやたらと賑やかで、一部の曲の間奏やサビでは耳に付くレベルで大騒ぎしていたり、興味のない曲になると周りがざわつく音までもしっかりと拾ってしまっているのが何とも。また、テレコのオートレベル機能の弊害で、"Street Foghting Man"の後半は、盛り上がる観客に演奏が埋もれてしまっていたりもします。
音質の方はというと、高域の抜けは今一つながら耳障りな周波数が持ち上がっているということもないので、聴き易いものであるといえます。
なお、演奏はというと全体的にゆったり目に感じる程度で、特筆すべきことは特に無し。
6月4日からのパリ4連続公演より演奏されるようになった"Angie"はこの公演をもってセット落ちとなっています。 |
by Hara ¦ 15:09, Sunday, Oct 20, 2024 ¦ 固定リンク
『Still Life In Tempe 1981』(Mayflower) |

『Still Life In Tempe 1981』(MF-260/261) 2CD
Dec.13 1981 Sun Devil Stadium,Tempe,AZ,USA
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
(Disc-1)
1.Take The A Train/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Let Me Go/12.Time Is On My Side/13.Beast Of Burden/14.Waiting On A Friend/15.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Little T&A/4.Tumbling Dice/5.She's So Cold/6.Hang Fire/7.Miss You/8.Honky Tonk Women/9.Brown Sugar/10.Start Me Up/11.Jumping Jack Flash/12.Satisfaction/13.Star Spangled Bannner
初登場部分含む、映画「Let's Spend The Night Together」の野外部分でお馴染みのサンデビル・スタジアム公演全曲収録盤。
サンデビル・スタジアム公演は、これまで2種類のステレオサウンドボード音源がブート化されてきていましたが、本作は『Satisfaction Guarannteed』(VGP-136)に代表される映画用の素材と思しき、左右のレンジが狭く音が中央に集まっているというミックスの音源から作成されています。

この音源、これまでは全曲が発掘されておらず、"Start Me Up"後の2曲が欠落しているということに加え、"Just My Imagination"の2コーラス目の「raise a family」の部分に一瞬音切れがあるという難点を抱えていたりしましたが、本作はついにそれらが解消された形での音盤化。
ディスク1のスタートからしてテープが回るところから始まっていたり、"Just My Imagination"の音切れもなし、そして未収だった"Jumping Jack Flash""Satisfaction"の2曲に加え、エンディングSEの"Star Spangled Bannner"と花火の音までも収録されています。
この初出となるラスト2曲以降の部分、もう片方の『Phoenix 1981』(DAC-141) や『TEMPE 1981』(-)に代表されるサイト「Wolfgang's Vault」にて公開されていたFMラジオ放送の素材と思しき、左右のレンジが広い高音質ステレオサウンドボード音源を繋いだのではとの疑念も最初は湧きましたが、ちゃんと"Start Me Up"までの各楽器の定位そのままでしたので、この音源を持ってきているということは無し。


また、音質の方もVGP『Satisfaction Guarannteed』で聴けた、ノイズリダクションをかけ過ぎたかのような余韻の音ではなく、自然な響きの余韻かつ、嫌みのないすっきりと伸びた高域の音で、『Satisfaction Guarannteed』と比べては勿論のこと、先に触れた『TEMPE 1981』等で使われている音源収録盤よりも高音質となっています。
ただ良いことばかりだけではなく、その反面、ピッチが気にならない程度にやや高めであったり、本作が基にしたテープの交換が、"Miss You"と"Honky Tonk Women"の間あたってしまったようで、『Satisfaction Guarannteed』では聴けるミックの喋りが一部未収となってしまっています。
とはいえこの未収部分、"Miss You"後の煽りが終わった後のものにつき、うまく繋いでさえあれば全く気にならないレベルだったのですが、ここだけフェードアウト・イン処理となってしまっているので、ここはうまく繋げておいてもらいたかったところ。 |
by Hara ¦ 06:45, Thursday, Oct 17, 2024 ¦ 固定リンク
『Kick Off!! Europian Tour 1982』(Empless Valley) |

『Kick Off!! European Tour 1982』(EVSD-1960/1961) 2CD
May.26 1982 Capitol Theater,Aberdeen,Scotland
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
※Disc-1 Track12(Part)-Track15 & Disc-2
Stereo Audience Recording
Quality:Very Good
(Disc-1)
1.Introduction/2.Under My Thumb/3.When The Whip Comes Down/4.Let's Spend The Night Together/5.Shattered/6.Neighbours/7.Black Limousine/8.Just My Imagination/9.Twenty Flight Rock/10.Going To A Go Go/11.Chantilly Lace/12.Let Me Go/13.Time Is On My Side/14.Beast Of Burden/15.Let It Bleed
(Disc-2)
1.You Can't Always Get What You Want/2.Band Introductions/3.Tumbling Dice/4.She's So Cold/5.Hang Fire/6.Miss You/7.Honky Tonk Women/8.Brown Sugar/9.Start Me Up/10.Jumping Jack Flash/11.Satisfaction
ブート初登場となるミキサー宅直結のステレオサウンドボード音源を含む、1982年ツアーの初日となるコットランドはアバディーン公演の全曲収録盤。
その初出となるサウンドボード音源は、ディスク1頭の"Take The A Train"(本作は"Introduction"表記)から、"Let Me Go"2分43秒までのライブ前半部のみ。
82年ツアーの卓直結音源というと、TSP『Shattered In Europe』に代表される7月17日のナポリ公演(こちらはライブ頭から後半までの抜粋)があるが、そのナポリ音源がモノラルだったのに対し、本作はステレオでの収録。
宅直結音源が大量流出した前年の1981ツアーもほぼモノラルだったので、この年代の音源にしては珍しいかと。

中低域に厚みを持たせた耳馴染みの良い音質の音源で、この手の音にありがちな、ギターよりも鍵盤が前面に出てしまっているというのは本作にも何曲かあり。
この音源で興味深いのが"Shattered"の後半3分24分以降のミックのヴォーカル。
ピッチのおかしなハーモナイザーがかけられていて、かなりの違和感を覚えたりするので、後に触れるこの公演のオーディエンス音源をあらためてよく聴いてみると、たしかに実際の会場の出音でもミックのヴォーカルがおかしなことにはなってはいるものの、イアン・マクレガンが被せているコーラスが大きめだったりするので、サウンドボード音源程の不自然さは感じられず。
また、"When The Whip Comes Down"の3分9秒には、無線と思しきしゃべりが一言混入してしまっており、これはさすがに消すことが出来ないだろうなと思える反面、この公演が初演となった"Chantilly Lace"終盤3分48秒に乗っかってしまっている、デジタルと思しきノイズは消しておいてもらいたかったところ。
なお、サウンドボード音源が切れる"Let Me Go"2分43秒以降は、SODD『Aberdeen 1982』(SODD 086/87)にてリリースされていたオーディエンス音源を収録。

ややエコーがかった奥行き感のある音ではあるものの、演奏自体は大きめに捉えられているという聴き易い音源で、テープチェンジによる曲中カットはなし。SODD盤と比べると、本作は低域が若干厚くなっており音量もやや大きめ。
基にしたテープ自体は同じだったようで、"Honky Tonk Women"2分36秒から"Brown Sugar"開始までの間で、大きく聴こえる観客のものと思しき話し声がメガホンを通したような不自然な音になっているのも同じならば、アンコールの"Satisfaction"がフェードイン気味で始まる編集となっているのも同じ。 |
by Hara ¦ 10:52, Sunday, Oct 13, 2024 ¦ 固定リンク
『Perth 1973 Soundboard』(-) |

『Perth 1973 Soundboard』(-) 1CD
Feb.24 1973 Western Australia Cricket Ground,Perth Australia
Stereo Soundboard Recording
Quality:Excellent
1.Brown Sugar/2.Bitch/3.Rocks Off/4.Gimme Shelter/5.Happy/6.Tumbling Dice/7.Honky Tonk Women/8.All Down The Line/9.Midnight Rambler/10.Band Introduction / Happy Birthday Nicky/11.Little Queenie
メンバー紹介時、この日が誕生日のニッキー・ホプキンスに向けて、ミックがバック付きでハチャメチャに歌うバースデイソング"Happy Birthday Nicky"でブート収集家間で有名なこの公演を、ミキサー卓直結のサウンドボード音源にて、しかもこの時期としては珍しいステレオで収録したタイトル。
残念ながら全曲流出はしておらず、コンサート中盤の"Love In Vain""Sweet Virginia""You Can't Always Get What You Want"、終盤のRip This Joint""Junping Jack Flash"""Street Fighting Man"の6曲は未収録だったり、この手の音にしてはドラムが薄めに録れていたりする影響で全体に軽めに聴こえはするものの、両方のギターが前面に出た生々しいミックスはそれを補って余りあるくらい聴き応え充分な音源。
この音源の初出はアナログLPの『Happy Birthday Nicky』(Noja Records 002)
※片側のCDデザイン等によく使われる大陸ベロの方が表ジャケットっぽいデザインになっているが、レコードの取り出し口を標準的な向かって右とするならば、こちらが表ジャケかと。

高域の伸びた非常にクリアーな音で収録されているが、曲順が変えられており、"Bitch"の後に"Tumbling Dice"が来て、飛ばされた3曲は"Little Queenie"の後に何故か"Gimme Shelter"と"Rocks Off"が逆になった状態で収録。
この音源を収録した代表盤として挙げたのがDACの『Happy Birthday Nicky』(DAC-017)

幾つかの既発タイトルにあったチャンネルの左右反転やピッチを修正。
LPで軽めに感じた音も低域を持ち上げて全体的に厚みを持たせた上で、音質もマイルドにして聞き易さの向上を図ったタイトル。もちろん曲順も正しいものに並び替えられています。
さて、本作ですが、リリース・インフォに記載されていたように、新たにテープを入手して作成したのではなく、ブートCD黎明期のタイトルOH BOYの『Happy Birthday Nicky』(Oh Boy 2-9039)をベースに作成。

遅かったOH BOY盤のピッチを修正。
OH BOY盤では何故か欠落していた"Brown Sugar"が始まる寸前のミックの喋りと、"Honky Tonk Women"のイントロ冒頭を、これまた黎明期にリリースされた24日・26日混合盤のRockawhile Productions『Live In Perth Australia』(RS89101)から補填。
音が整えられた近年リリースのものではなく、まだイコライジング等のなかった黎明期タイトルを使っているため加工しやすかったのか、違和感のない繋ぎとなっています。

この公演についてはオーディエンス音源が発掘されていないため、新たに聞けるパートや楽曲の補填は無し。
音質はというと、シャリシャリ気味だったアナログLPほどではありませんが、耳につかない程度に高域を持ち上げ、中低域も響き気味になりそうな帯域を抑えることにより、これまでの代表盤だったDAC盤より全体的にすっきりとした音に仕上がっています。
なお、本作のインフォにあった"Rocks Off""Gimme Shelter""Happy"の曲間重複の件
たしかにOH BOY盤は露骨に重複している箇所があったりしましたが、DAC盤は気づかないレベルにきちんと重複部分の削除編集がされており、本作もDAC盤とほぼ同等に仕上げています。
ただ、"Bitch"終了後に途中切れとなっているテイラーが弾いているワウのかかったギターの続きが"Rocks Off"の後にあったりするのに、DAC盤同様にこれはそのまま。せっかくそこに着眼したのだから、そこはきちんと編集してもらいたかったところ。 |
by Hara ¦ 08:28, Saturday, May 07, 2022 ¦ 固定リンク
『All Meat Music 1973』(Mayflower) |

『All Meat Music 1973』(MF-181/182) 2CD
Jan.18 1973 Inglewood Forum,Los Angels,CA,USA
Mono Audience Recording
Quality:Excellent - Very Good
(Disc-1)
1.Introduction/2.Brown Sugar/3.Bitch/4.Rocks Off/5.Gimme Shelter/6.Route 66/7.It's All Over Now/8.Happy/9.Tumbling Dice/10.No Expectations
(Disc-2)
1.Sweet Virginia/2.You Can't Always Get What You Want/3.Dead Flowers/4.Stary Cat Blues/5.Live With Me/6.All Down The Line/7.Rip This Joint/8.Jumping Jack Flash/9.Street Fighting Man
前年12月に起きたニカラグア大地震救済の為に、ストーンズが開催した「ニカラグア大地震被災者救援コンサート」収録盤。
3日後から始まるウインターツアーとは異なリ、デビュー10周年を意識したのか"Route 66"や"It's All Over Now"といった初期の曲や、"No Expectations"、"Stray Cat Blues"といったレア曲が挟まれているという魅力的なセットリストのこの公演、アナログLP時代か幾つものタイトルがリリースされ続けてきてはいますが、基になっている録音は全て同じ。
演奏を大きく捉えてはいるものの、肝心の録音位置がテイラーのアンプの前だったようで、大半の曲はテイラーのギターばかりが大きく聞こえるという、ちょっと残念なバランスの音源。
、
テープ切れだったのか、曲の終盤でフェードアウトしてしまう本編ラストの"Street Fighting Man"以降が未収なため、、アンコールの"Midnight Rambler"を聴くことが出来なかったりはしますが、ほぼコンサートの全貌を捉えてはいます。
このオーディエンス音源を収録した代表的タイトルとしては、まずアナログ時代の2枚組LP『Winter Tour 1973』(TMQ 72006もしくはD-305)。
すっきりとしたクリアーな音質ではありますが、低域が不足気味につき全体的に軽い印象を受ける音。ピッチが速いのが玉にキズ。

CDでは事典で代表盤として挙げたVGP『All Meat Music』(VGP-283)
アナログLPではなくテープから作成したしただけあって一部曲間が長くなったりしていますが、音質の方はというと高域の抜けが悪いため、全体的にモコっとした印象を受けてしまう音。

事典後にリリースされたものとしては、微妙に1CDに収まらない長さのこの音源を、
曲間をカットせず音程も変えずにテンポだけ上げて1枚ものにまとめた、LH製と称されるアナログ起こしの『"All-Meat Music" Winter Tour 1973』(-)

そのいじられたテンポについては"Brown Sugar"で比較すると、ピッチが正確なVGP盤に対してトータルタイム1秒ほど短かかったりはしますが、テンポどころか音程も高くなっている(=ピッチが早くなっている)アナログLPだと6秒も短くなっていたりするので、いじっているとはいえほとんど気づかないレベルではあるかと(邪道といえば邪道ではありますが・・・)。
アナログLPより高域控えめにした音造りで、スクラッチノイズのみならず一部の手拍子も消して聴き易さを向上させていたりします。
さて本作、若干クセはあるもののアナログLP同様にクリアーな高域に加え、低域の方も厚みを持たせた音造りにしてあることから、音質は既発のどのタイトルよりも向上。LH盤同様に一部の耳障りな手拍子もきちんと削除してあるのもポイント。
惜しむらくはディスク1ラストの"No Expectations"。本作はLP同様に曲が終わると歓声がほとんど入らずにフェードアウトしてしまいますが、VGP盤はきちんと歓声長めに入っていたので、ここは何とか補填等しておいてもらいたかったところ。 |
by Hara ¦ 02:35, Tuesday, May 03, 2022 ¦ 固定リンク
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