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『Brown Sugar & White Snow』(DAC) |

『Brown Sugar & White Snow』(DAC-174) 2CD
Disc-1 Oct.9 1973 Grugahalle,Essen,West Germany
Disc-2 Sep.20 1970 Killesberg,Stuttgart,West Germany
Mono Audience Recording Quality:Very Good
(Disc-1) 1.Brown Sugar/2.Gimme Shelter/3.Happy/4.Tumbling Dice/5.Star Star/6.Angie/7.You Can't Always Get What You Want/8.Midnight Rambler/9.Honky Tonk Women/10.All Down The Line (Disc-2) 1.Jumping Jack Flash/2.Roll Over Beethoven/3.Sympathy For The Devil/4.Stary Cat Blues/5.Love In Vain/6.Dead Flowers/7.Midnight Rambler/8.Live With Me/9.Let It Rock/10.Little Queenie/11.Brown Sugar/12.Honky Tonk Women/13.Street Fighting Man
ディスク1は、本作のアルバムタイトルならびにジャケットの基となった、10月9日のエッセン公演を収録したブートLP『Brown Sugar & White Snow』(Caution! AS.TS-198 810)の復刻。

LP『Brown Sugar & White Snow』は、この日演奏した全14曲中、"Dancing With Mr.D""Rip This Joint""Jumping Jack Flash""Street Fighting Man"を除く10曲を収録。
全体的にエコーがかっており輪郭がややぼやけていたりはしますが、演奏を大きく拾っているのと耳障りな歓声の類が少ないので、案外と聞きやすい音のタイトル。
ただ、何故か"All Down The Line"が全く同じ音源で、サイド2の3曲目と5曲目に収録されており、3曲目の方はイントロから曲の後半まで、5曲目の方はイントロが若干切れているものの完走しているという、いずれも中途半端な状態という難点がありましたが、それを解消したのがアナログLP起こし同士のカップリングCD 『Brown Sugar & White Snow/100 Years Ago』(-)。

追加収録曲は無く、LPと変わらぬ全10曲。
LPで響き気味だった中域を少し削っているようで、僅かながら聴きやすさが向上。
曲終了時の余韻部分で切れてしまっていた"Star Star"、頭が若干欠けているのと11分15秒で僅かながらの音飛び(音ブレ程度のもの)を起こしていた"Midnight Rambler"は別音源の補填なくLP同様。 ただしLPで中途半端だった"All Down The Line"はきちんと繋がれて1曲通して聴けるようになっています。
さて本作、収録曲はこちらも追加なく全10曲で、"All Down The Line"は当然ながらきちんと完走。
曲の最後の余韻部分でブツ切れだった"Star Star"はフェードアウトをさせつつ、"Brown Sugar"終了後の歓声をうまく被せて(特徴的な口笛が聞こえるので分かりやすいかと)、次曲"Angie"の曲前にあたかもそうであったかのような見事な繋ぎとなっています。
"Midnight Rambler"の頭欠けと、スローブルースパートから加速した後の歌い出し部分の音ブレ(本作のタイムでは11分09秒)については変わらず。
音質は、中低域に厚みを加えたノンレーベルCDとは方向性の違う音造り。クリアーさは僅かながらノンレーベルCDに譲るものの、高域若干控えめで厚みを持たせた音造りは、ノンレーベル盤より落ち着いた印象のものとなっています。
ディスク2は、70年欧州ツアー中盤のシュトゥットガルト公演を収録。
本作はどちらも西ドイツ公演ということでのカップリングタイトルなのでしょうけど、年代が異なるツアーのカップリングは、年代別に収納しているコレクターにとっては、どっちの年を基準とするか悩むとこなので、これは個別リリースしてもらいたかったところ。
本作が収録しているこの公演は事典でも取り上げたように、これまで2種の音源がブート化されています。
最初にブート化されたのは『Europien Tour Stuttgart 1970』(VGP-187)収録の音源。

ラストの"Street Fighting Man"が途中でフェードアウトする以外は、曲中カット無しの全曲収録。 全体的に分離が悪く、ドラムの聞き分けも難しいような状態ではあるものの案外と聞きやすい音。 基テープの劣化による音ユレが少々と、時折「ジッ」というノイズが入るのがやや難点。
次にブート化されたのが『Germany 1970』(DAC-070)収録の音源。

こちらの音源、音の分離がVGP盤音源よりも良く、全体の音量が上がったライブ終盤は低音にやや歪みが生じている箇所があるものの、総じてVGP盤よりも断然聴きやすい印象。
また、VGP盤の"Jumping Jack Flash"冒頭は、元々音が団子状態だったことに加えて叫び声やら話し声を大きく拾っていたことから、最初音楽に聞こえなかったりしましたが、このDAC盤の方の音源は最初からしっかりと聞き取ることが出来るというもの。
事典ではこのDAC盤を代表盤としていましたが、出版後にリリースされたのが『Stuttgart 1970』(-)

DAC盤の方は、基にしたテープの"Let It Rock"に問題があったようで、曲を丸ごとVGP盤の方の音源に音質調整を施した上で差し替えられていましたが、このノンレーベル盤は全曲同じ音源でのノーカット収録。
DACとしてこの音源2度目のリリースとなる本作の方はというと、ノンレーベル盤同様に全曲ノーカット収録。
ノンレーベル盤の全体的な音質は、旧DAC盤よりも硬質さ控えめのナチュラルな質感の音となっていましたが、本作はそのノンレーベル盤と比べると、中域を若干抑えつつ低域を上げた音造りとなっていることから、聞きやすさが更に向上しています。
旧DAC盤よりも7秒ほど長く、ノンレーベル盤では"Intro"としてわざわざトラック割りされていた"Jumping Jack Flash"スタート前の15秒ほどの歓声部。本作もトラック割りはされていないものの長さ自体は同じですが、ノンレーベル盤がカットインだったのに対し、本作はフェードインとなっています。
旧DAC盤では、曲が終わると7秒ほどで早々にフェードアウトしていた"Street Fighting Man"。ノンレーベル盤は、曲が終わった後も40秒ほど収録しており、客出しの場内BGMも聞くことが出来ましたが、この部分の長さについても本作も同様。
音源の長さが同じなのに、トータルタイムがノンレーベル盤と本作で38秒も違うのは主にピッチの差。旧DAC盤やノンレーベル盤はほぼ同じピッチだったのに対し、本作はやや早めのピッチとなっています。
ノンレーベル盤の"Sympathy For The Devil"では、6分2秒と6分4秒に一瞬の音の欠落があり、旧DAC盤の方は音飛びしたと感じない程度にうまく詰めていましたが、本作も旧DAC盤同様の処理。
ノンレーベル盤の難点であった、"Love In Vain"の4分46秒から4分47秒にかけてのプツッという読み込みエラーっぽいデジタルノイズ3つについては、本作はこちらもまた旧DAC盤同様にノイズの混入はありません。 |
23:21, Thursday, Mar 23, 2017 ¦ 固定リンク
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